2009年03月03日

サム

2009年3月3日(火)

サム。
といっても、サム・シェパードでもなければ、親指でもない。

またも韓国の料理のお話。
包むことをサムというそうで、包んで食べるのが、韓国の人は好きです。

昔、私の家にあった料理本は、一辺20センチくらいの正方形のハードカバーのシリーズ本でした。そのなかに、韓国の料理ものっていて、いまにして思えばクチョルパンと思われる料理が掲載されていました。
そしてコラムのエッセイに、

 韓国というと辛い料理ばかりと思われているがそればかりではない。
 葉っぱにご飯と味噌をのせて食べるものなど、我が家に下宿している韓国人のバレリーナは体重を気にしてあまり食べないのに、こればかりはいくつでも食べる。

というような内容が書かれていたのを覚えています。

こんな風に子どもの頃に本のなかで出会っていた韓国の料理に、何十年もたって本格的に出会い、最初の本のなかの出会いを思い出すのもなかなかオツなものです。

私も今日はサムしてみました。

包む葉っぱはゆでキャベツ。包む中身は、白いごはんにサムジャン。サムするときにこのサムジャンは必須です。このレシピも、チョ・カムヨンさんレシピです。

キャベツにご飯とサムジャンをのせて包んでいただきます。
これがうまいのなんのって。くだんの料理本のバレリーナさんの気持ちがわかる。

サム


キャベツがこんなにおいしいものだったとは。

大学のとき、韓国籍の友だちが、そういえば、夕食によくゆでキャベツを用意していたっけ。あれはこれだったんだなあ、と、今にして思いました。

サムジャンだけじゃなく、いろんなおかずも用意して包みました。

サム



キャベツの右隣は切り干し大根の煮物。キャベツの上は、アボカドのにんにくしょうゆ和え。左がサムジャン。その上は豚の三枚肉のかりかり焼き。その上は菜の花のナムル。サムジャンの左隣はふき味噌。

ちなみに、豚は、かたまりの三枚肉に強めの塩と黒胡椒をして、針金でつるして干したもの。
平松洋子さんの『平松洋子の台所』にあり、これを読んで以来、ときどき干し肉作っています。干すと風味が格段によくなります。

この三枚肉を太い角切りにして、油を敷かないフライパンでかりかりに焼きました。
かりかり肉とサムジャンをあわせ、ごはんと一緒にキャベツでくるむと・・・

サム


これがまた、うまい。
豚肉の脂の甘みがサムジャンと渾然となってごはんにしみ入り、それらをキャベツがくるみこむ。

「包む」という行為は暖かく、懐深く、やさしい。


サムジャンのレシピ
 コチュジャン、淡色みそ、ごま油、しょうゆ、長ネギみじんぎり、いりごま、すりにんにくを混ぜる。

コチュジャンもチョ・カムヨンさんの簡単レシピで手作りしています。





Posted by ボブ・マリ at 22:08│Comments(0)
 
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